様々な哲学者の主張をわかりやすい例えを用いて紹介しています。
個人的にはニーチェの話がおもしろかったです。
イソップ童話の「すっぱいブドウ」、高級フレンチとサイゼリア、神の誕生の起源など、わかりやすい例えで納得の説明がされています。
劣等感を、努力や挑戦によって解消しようとするのではなく、その源となっている「強い他者」を否定する価値観を持ち出すことで自己肯定するという考え方で、ルサンチマンというそうです。
一度読んで全てを理解するのはとても無理、な内容です。
めちゃくちゃ研究して調べて書かれているのがよくわかります。
でも、ところどころに知っている名言が出てきていたり、例えや解説はやはりとてもわかりやすいので思考を鍛えるのにとても良いと思います。
また、筆者が冒頭で述べているように、仕事の会議や日常生活における知人との会話など、頭を使って言葉を発する場面はたくさんありますが、思考力は0から何かを生み出す力ではなく、持っている知識を引き出しから出して、組み合わせて、当てはまることで発揮できる者だと思います。
なのでここで哲学者たちが何に疑問を持ち、どのように考え、それを筆者がどのように捉えているかを一気に学べることはとてもありがたいです。