小説

『また、同じ夢を見ていた』住野よる




なんとも言えない世界観。いい意味で。
主人公の設定からされる描写の矛盾のなさ、というとマイナスがないだけのように読み取れてしまいますが、周りから少し浮いてしまっているちょっと賢い小学生の女の子の思考がそれは見事に描かれています。
頭が良すぎて、同級生にいじめられたときの切り返しにスカッとします。

後半、話の展開が面白すぎて、夜更かしして一気に読んでしまいました。

不思議な物語。
私もたまに昔のことを思い出しますが、小学生って、なんであんなに考えずに発言できていたんだろうと思います。
自分の発言で人がどう感じるのか、3秒考えて発言することがなかなかできなくて、30歳になった今、逆に考えすぎて発言するタイミングを逃したりします。

発言するタイミングを逃した時、周りの誰かが発言しているのを聞くと、なんでそんな言い方するんだろう、3秒考えればいいのに、と思ったりもします。

でも、本当にそうなったら会話が成り立たないですね。。

私が働いている会社は、完全テレワークな上に社内会議は基本的に顔出しをせず音声のみでコミュニケーションをとります。

(前職は半強制的にカメラONだったのですが…。)

今この人は私が言ったことについて考えているな、納得いってなさそうだな、というのが、
音声でもわかりますが、複数人いるとその音声はとんでもないノイズになります。
3人以上いるときは意識して黙っていないと誰かの発言を遮ってしまったり、重なってしまったりします。

一緒に働いている人たちは、話の長い人が多いのでその人たち同士の会話は声が重なりまくって、話を相手に譲るのではなくなぜか声が大きくなっていってイライラすることもあります笑

子供の頃の考えなしの発言の話からずいぶん飛躍してしまいましたが、あのときこの判断ができていれば、と思うことは今日一日を振り返ってもあります。
きちんと振り返れば、毎日あります。

振り返ってみて、悪いと思ったら謝る、とか、悪いと思ってなくても悪いところがあったかも、と考えてみる、とか、今の私ができていない当たり前のことを指摘してくれるありがたい本でもあります。

ちなみに、同じ著者の作品で『君の膵臓をたべたい』は映画だけ観ていて、あの作品も主人公は不思議な子だなあと思っていましたが、文章で読むとどうなんだろうと気になります。

せっかく出会えたので、他の作品も読んでみようと思える内容でした。




 

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